EX90が復活! 〜プラグ付近の断線からの回復修理の工程〜

EX90SLが壊れた\(^o^)/ - MATTARI DIARY からロングパス!

前に音が出なくなったMDR-EX90SL(以下EX90)を修理してみたので報告。
半田ごてを何年かぶりに握ったのですが、なんとかうまくいきました。
うまくいったときの感動は一入です。早速修理過程をまとめてみます。

前置き 出来ないと思った人はやらないこと!

今回の修理は、保証切れしたイヤホンのプラグ付近の断線による回復方法です。イヤホンプラグは壊れてしまったものから取っているので、物によっては難しいものがあるかもしれません。
そういう点を含めて、半田ごてを使ったことの無い人、やってみても失敗しそうだと思う人は手を出さないことをお勧めします。メーカーに任せるほうが良いでしょう。
ちなみにメーカー修理は、技術料が4200円ぐらいに部品代らしいです。工具と材料をそろえると、5000円ぐらいかかりました。
どちらが良いかといったら、ぶっちゃけると新品を買うことが一番でしょう。直すより新品がよい理論でした。

SONY カナル型イヤホン MDR-EX90SL

SONY カナル型イヤホン MDR-EX90SL


用意したのは細めのコテ先のある半田ごて。またイヤホンコードを直付けすると、また断線する恐れを考えて、コードを増設しています。
コードの種類で音のよしあしがわかる人間でないのでこれでよいのです。

参考にしたサイトは以下です。先人の偉業に感謝。

イヤホンの断線修理 | 王様の箱庭

ARALOG iPodライン出力ケーブルの改造

ER-6i断線修理:soundrabbitの無駄話:So-net blog

blogの辺境 〜目指せblogの一市民〜 : イヤホン修理

それでは始めましょう。

準備するもの

必要なものは

  • 半田ごて
    • 精密機器を扱える、コテ先が細いものが良いです。
  • はんだ
    • これも精密機器を扱えるような細さがいいでしょう。
  • はんだ吸い取り線
    • 買うのを忘れてしまいましたが、余分な半田を取るのに必要なものです。買っておきましょう。

  • ホットボンド
    • 今回利用した中で一番便利だったもの。外装作成や、絶縁に使えます。
  • ニッパ(はさみ)、カッター、ペンチ、ラジオペンチ、コテ先を掃除できるもの
    • などなど使いそうなもの。
  • 簡単なテスター
    • もちろん通電チェックが必要なので。持っているテスターは下宿先においてあるので、簡単なテスターを用意しました。こういうペンシル型だといろんなものに使えるようなので、持っておいて損ではないと思います。

次は材料。一部はオプションです。腕に自身がある人はいらないと思います。

  • 熱収縮チューブ
    • 今回は直径4mmのものを利用。そのほかにも外装として10mmも利用
  • 絶縁スリーブ
    • 参考にしたサイトで使われていた方がいたので、今回使ってみました。理想のものが無かったので代用しています。
  • 細めのコード
    • イヤホンプラグの半田付け箇所があまりに小さかったので、やりやすいように細めのコードを用意して、プラグとイヤホンのコードを直付けさせずにこのコードで延長させています。
  • イヤホンプラグ(対応するもので一般的なものはもちろん3.5mm)
    • 予備のものを利用。一般的に売られている単品のプラグのほうが半田付けがしやすいので、こちらのほうがお勧めです。


以上。次から作業工程です。

1.イヤホンプラグを分解、掃除する

多分大体のイヤホンは小型のプラグであり、この場合はプラスチックで半田付けの箇所を保護しているでしょう。そこを剥がないと始まらないので思いっきり剥いでしまいましょう。

また、コードも半田付けしやすいように、むき出しにしておきます。EX90は見た感じだと真ん中の黒がGNDで、周りの二本がLかRでしょう。判断は試し付けをしてから。


2.イヤホンプラグにコードを半田付け

まずは、プラグの半田付け箇所を掃除します。本当ははんだ吸い取り線があればいいのですが、買い忘れてしまったので今回はなし。
既についているはんだやコードの切れを取り除いて、半田付けしたときにつきやすいように、はんだを盛ります。

今回の僕の方法では、別にコードを用意してプラグ側を延長させて、イヤホンコードに半田付けしています。ので延長用コードの作成です。
こうやって、コード側にも半田付けをして、付ける際にやりやすくするといいです。


次にコードを取り付けます。

延長させるコードを取り付けるのですが、その時の色は、Lを黒、Rを赤、GNDを白にしました。(が・・・
今回の作業は初めてで、プラグとコードがどう対応しているのかわからなかったので、通電チェックを行い調べてみました。このような感じです。(間違っていたら指摘がほしい・・・)


1:上:GND, 2:中:R, 3:下:L
1 : L
2 : R
3 : GND

  • 追記:2009/10/10 01:15:27:(別の作業でたまたま)仕様を確認したところ間違っていたので訂正しました.恥ずかしい・・・
  • 2009/11/25 上中下と書くと読み間違えると思うので消しました。(自分も間違えましたので)eezkさん有難うございます。

さて、早速取り付けてみました。このときには、半田はあまり盛らず、かといってそれなりに盛らないと外れてしまうので、適度にやりましょう。(難しいですよね)
また絶縁のプラスチックが溶けてしまうので、迅速に行ってください。

次にイヤホンコードを取り付けるのですが、ここでリッツ線の説明。
イヤホンコード内部の銅線はリッツ線といって、銅線自体にエナメルコーティングポリウレタン皮膜してあるので、ただつなげるだけでは通電しません。
もちろん普通の半田付けでは半田がついてくれません。

イヤホンのコードの、あの赤とか緑の銅線、あれはリッツ線って呼ばれるものです。
リッツ線の表面はエナメルコーティングにより絶縁されてるので、単純に「コードを切って銅線を出して、より合わせて繋げる」って作業だけでは導通しません。
いやー知らなかった。
道理でなにも聞こえないわけだ。

イヤホンの断線修理 | 王様の箱庭

で、解決方法は、ずばりエナメルコーティングポリウレタン皮膜を取り除くこと。

方法はいろいろあるのかもしれないけれど、ライターで炙るのが一番簡単だと思います。
線が真っ黒になるので、少し紙やすりをかければいい感じ。

イヤホンの断線修理 | 王様の箱庭

ライターでリッツ線を炙るのが一般的らしいです。その後に紙やすりなどでポリウレタン皮膜を削って取り除くそうです。
で、早速ライターで炙ってみると、コードに沿って火が走って行くじゃないですか。その後線が黒くなるのも同じ。
今回、紙やすりを用意し忘れたので、カッターでエナメルを削って取り除きました。でもコードが弱くなってしまうので紙やすりのほうがよさそうです。

  • 追記1:コメント欄でご指摘をいただきました。リッツ線の皮膜はエナメル(という材質)ではなくてウレタン皮膜でコーティングしているそうです。(2010/01/16 : まりもんさん、Thanks!)
  • 追記2:コメント欄でご紹介をいただきました。ライターであぶるより半田ごてを当てて溶す方法が簡単とのこと。(2010/01/16 : まりもんさん、Thanks!)

詳しくはコメント欄をご覧下さい。
コメント欄:#c1263584032


写真を見てみるとわかると思いますが、端子側につけておいたコードの色を間違えてしまいました。
気がついたのは、試し付けをしてからでしたがさして意味合いは無かったのでそのまま利用しています。

  • 追記:コメント欄でご指摘をいただきました。慣例としては赤がLで白がRのコードにするとわかりやすいようです。この写真では逆につけていますね。(2010/01/16 : まりもんさん、Thanks!)


とりあえず、作業していた間は、イヤホンコードの線がどちらかなんてわからないので、ためしに付けてみました。早速音のチェック。

このときには音は出たのですが、ボーカルの音が右側に集中して出ていました。
配線不良か?と思いましたが、とりあえずGND以外の線を逆転させてみると、ちゃんと左右分離して音が出るようになりました。
ということで、一度音の確認はお忘れないように。完成後にチェックとかしてみて音が出なかっただと悲惨なので。

3.コードを絶縁、保護して完成させる。

最後が一番楽しく出来た作業かな? 半田付けしたコードを実用に耐えうる強度と絶縁を持たせます。
一度試し付けしたイヤホンコードを外します。その後熱収縮チューブをコードに通してから、コードの本付けをします。
今回は、GNDとRの半田付け箇所をチューブで保護して、その上にLのコードを半田付け、最後に全体を通してチューブを通して絶縁しました。


完成したもので申し訳ない。参考にしたリンク先から詳しいものが乗っているので参考にしてください・・・


ARALOG iPodライン出力ケーブルの改造

次に、プラグ付近をホットボンドで保護しますが、その前にスリーブをコードに通しておきます。
今回利用したスリーブは形が微妙だったので、複数を重ねて使うようにしました。ARALOGさんのスリーブがほしかったです。

ホットボンドが面白くて、迅速な作業を求められたので、写真はなし。
初めてホットボンドを使ってみたのですが、とても扱いやすいものでした。いろんな用途に使えるもので、これからも積極的に使ってみたい。
で、付け終わった後はこんな感じ。

最後に、スリーブを覆える熱収縮チューブを通して完成。
自分が作った完成物は、あまり形がよろしくないです・・・ あとチューブが太かったので二重にして見ました。


4.完成、(゜д゜)ウマー

まとめ

さて、以上が修理工程でした。いかがだったでしょうか。
初めての修理で、プラグの半田付け箇所がものすごく小さいので苦戦したり(絶縁のプラスチックを少し溶かしてしまったり)、リッツ線で苦戦したりと、半田付けでは苦戦しました。
また、配線はちょっと悩んでしまったのですが、テスターは用意しておくのが良いでしょう。
今回は線の色を間違えましたが、たとえ線の色を間違えたとしても、あまり関係ないので、気にしないことにして。
試し付けで音が出たときには、やっぱり感動しますね。素人作業でもちゃんと音でるんだ!って。でも音質はやっぱり下がってるんでしょうかね。聴いたところだと気になる箇所はなさそうですが、何せ久々に聞いたのでわかりません。
今は直ったこと、使えるようになったことに感動しておきましょう。
ホットボンドはかなり楽しめました。あんな面白いものなんで早く手にしなかったのだろうと思ったぐらい。固定や絶縁やいろんなものに使えそうで、どんどん使いたい。いいものを買いました。

無理そうならあきらめましょう。

無事に音が出たのですが、この作業で音が出なかった場合、イヤホンのハウジング部分や、中途半端な箇所のコードの断線なので、物によっては修理は難しいでしょう。EX90はプラグ付近以外の断線の修理は厳しそうです。
保証切れのイヤホンだったので、壊れたら新品買うかという意気込みでした。うまく成功してよかったですが、今回のエントリーで無理と判断した人はあきらめたほうがよさそうです。
ですが、条件がそろえば、自力で回復させるのも難しくは無いです。腕に自身がある方は、チャレンジしてみるのも良いでしょう。


このエントリーがお役に立てるのを祈って。終わり!

SONY カナル型イヤホン MDR-EX90SL

SONY カナル型イヤホン MDR-EX90SL